AFVモデラーの巣

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Dragon6800は実質3in1キットなのか?

先日紹介したDragon6800のTiger Iですが、製作の前に説明書を読んでてちょっとおかしくねこれ?と思った部分があったので書き留めておきます。

 

おかしいと言ってもいつものヘンテコな日本語とかインストの間違いとかではなく、考証面がです。タイガー後期型は3種類あります。後期型、指揮車両、最後期型の3つです。6800は2in1キットでコマンドタイガーと通常の後期型の選択式になってますが、後期型と最後期型がちゃんと区別されていない様に見えます。

▲一番わかりやすいのはマズルブレーキです。後期型(Late)はTiger IIと同様の小型のマズルブレーキが指定されてますが、これは「最後期型」の特徴のはず。「最後期型」では部品の共有化が進められ、マズルブレーキや装填手用ハッチがTiger IIと同じ物に変更になりました。この辺はWikipediaのティーガーIにも書かれてますね。

▲次に砲塔を見てみます。ここが一番変です。マズルブレーキは最後期型なのに、砲塔天板は旧式の物が付いてしまっています。「最後期型」であれば砲塔天板には「ピルツ」と呼ばれるクレーン接続用のソケットが付いているはずですね。また防盾を見ると主砲の照準器穴が2つありますが、これは「後期型」であれば正しいですが、「最後期型」では1つ穴に変更になりました。

はたして6800で指定の後期型(Late)は後期型なのか最後期型なのか...

 

▲次に砲塔を見てみます。ここが一番変です。マズルブレーキは最後期型なのに、砲塔天板は旧式の物が付いてしまっています。「最後期型」であれば砲塔天板には「ピルツ」と呼ばれるソケットが付いているはず。また防盾を見ると主砲の照準器穴が2つありますが、これは「最後期型」では1つ穴に変更になりました。

はたして6800で指定の後期型(Late)は後期型なのか最後期型なのか...

 

▲キットの砲塔天板は3種類セットされてます。Y4はヴィットマンタイガー用、E1がピルツあり、中央に溶接ラインあり、近接防御兵器あり、E2がピルツなし、溶接ラインなし、近接防御兵器あり、です。

「最後期型」の天板はE1になるかと思いますが、なぜか6800ではE1は不要部品となっています。もし6800が"Late"を後期型のつもりで書いたのであれば、マズルブレーキが小型タイプなのは変な感じがします。

実際のタイガーは部品が不揃いだったり交換したケースもあっただろうし、キットの組み合わせが間違いとは言えませんが...。この辺は過去の3in1キットではちゃんと区別されてたはずなんですけどねぇ。

▲防盾はツィメリット付きの部品は2種類あります。d2はコマンドタイガー用で機銃の穴が埋められています。いずれも主砲の照準器は2つ穴タイプ。

▲ところで、説明書にこんな指示があります。照準器穴を1つ埋める指示ですが、これは完全に「最後期型仕様」の防盾じゃないですか。これでわかった。6800は後期型と最後期型を区別してないんだと。

 

という事は6800は実質3in1キットじゃないかと思うわけです。不要部品のE1を使い上記の穴埋め作業を行えば最後期型として作ることも可能でしょう。であればなぜ3in1と書かないのか。

もはや説明書もまともに書けない会社になってしまったのか(笑)

 

これらの説明書の不備は、過去のタイガーキットの部品を寄せ集めた結果、混乱が生じてしまったためでしょう。と言うか自分のような素人でもこんな不備すぐに気が付いたのに、なぜ気が付かないのか。

ちなみに過去のタイガーキットに付いてたメタルワイヤーやOVMのエッチングは案の定削除されてます、ハイ。

 

記事にすることもでも無かったけど書いてしまいました。考証に興味ない人にとってはどうでも良いって感じでしょうね。じっさい考証も程々にしないと疲れますから。

再販で劣化してるとは言っても、ツィメリットあり、指揮車両パーツ完備、エンジングリルのエッチングありと自分には十分すぎる内容です。ドラゴントラップだけは気を付けないといけませんが。